亭主の理想の粒揃いのちりめんで
気品漂う色味と味わいを
大阪・千里山の一角、風情ある数寄屋造りの料亭『柏屋』。亭主・松尾英明さんの料理は、伝統を大切にしながら、創意工夫でモダンな趣を加え、季節の物語をも感じさせます。そんな『柏屋』の「ちりめん山椒」は、松尾さんの理想のちりめん探しから始まったとか。「宮崎の豊後水道沖に良いのが揚がる。大きすぎず粒が揃い、漂白とは違う濁りのない白さでフワッとしています」。それを醤油、酒、みりんで炊いて少し乾燥させるので、軽やかな仕上がり。「実山椒は極若い実を使います。独特の痺れ感が爽やかなんです」。噛むほどに旨みがじわりと口に広がるのを、山椒が青い風のように引き締めます。料亭のお土産に相応しい品の良さにうっとりする逸品です。
ご飯のお供、酒肴にはもちろん、大根おろしと、または湯がいたオクラで和えて、ちょいとワサビを添えれば立派な一品にもなります。