清々しいまでの辛口
爽やかな白い暖簾を潜ると、ショーケースに看板商品の贅沢茶漬や鮭茶漬け、やんちゃ煮などの佃煮に加え、カラフルなパプリカのピクルスやポテトサラダなどのお惣菜が、きちんと行儀良く並んでいます。その様子は、“真っ当な美味しさ”を体現しているかのよう。添加物や人工的な香りを排除した“真っ当”な食べ物は、今の時代、一番の贅沢。例えば贅沢茶漬けの主役を張る穴子をひと口食べれば贅沢さが実感できます。皮目はパリッと軽快で、熱い煎茶を掛ければ厚みのある身がほぐれて旨味がじんわりと広がります。噛むほどにさらに穴子本来の旨みがどんどんとにじみ出てくるようで…。お茶漬けがたまらないご馳走に感じられます。巷に溢れている甘ったるい佃煮やお惣菜とは一線を画した『清左衛門』の清々しいまでの辛口は、舌の肥えた文人通人、お酒好きを虜にしています。